熊本県益城町に訪問し、次におとずれたのは、新設された益城町役場の隣にある
復興まちづくりセンターにじいろ
です。
※ 写真はすべて投稿者撮影。掲載許可をいただいております
この施設は、町が所有していますが、地域おこし協力隊が企画、運営をされています。
今回は事前にアポイントを取り、協力隊の中村康佑さんに貴重な時間を割いていただき、
お話を聞くことが出来ました。
名前に「佑」の字があり、そこですでに親近感が湧きましたw
レジュメをご用意いただき、益城町の概要、発災と被災状況、復興から現状の状況に関する説明を受けたのち、館内の見学をしました。
概要は町HPを参照ください(2021年現在)
発災と被災状況を要約すると
・2度の震度7を記録(史上初)。しかし震源地は町外
・4500回以上の余震、うち震度5以上は23回
・死者20名、震災関連死25名、重症135名、住宅被害計10,584棟
・ほぼすべての町民が避難者に。避難所は混乱
・町有施設58施設中48施設が被災。庁舎が損壊し、初動対応が遅れる
・総合体育館の避難所利用は危険と判断。その後の余震で天井崩落。判断が正しかった
・主要道路のほとんどが片側1車線で、建物倒壊により道路が寸断
復旧・復興の取り組み。まずは一部要約
・計36,000人のボランティア。義援金11.5億円。ふるさと納税55億円
・仮設住宅計1,562戸、みなし仮説住宅1,453戸
・「地域支えあいセンター」を立ち上げ、見守り支援やストレスケアを実施
・商工業者、農業への支援
以下、特筆すべき取り組みについてまとめました。
①インフラ整備
主要道路について、片側2車線に拡幅し、交通遮断を防ぐ。現在も工事中
避難場所とは別に「避難地」を設置し防災設備を備える。
「避難路」を設定し、円滑な避難を実現
②町民主体のまちづくり
・自主防災組織を兼ねる「まちづくり協議会」を組織化。26地区を結成。
・記憶の継承として、地表断層を国天然記念物として指定。
・震災語り部や、広域連携による「震災ミュージアム」による、記憶の継承
以上の説明を受け、こののち、館内を見させていただきました。
この視察でとても印象的だったのが、
インフラだけではなく、地域住民を巻き込んだ、まちづくりこそ復興
という考え方を軸にしているところです。
新しい考え方やリストラクションは、当然住民の反発がもあったとのこと。
それでも根気強く会話を重ねることで、協働の意識が芽生えていったそうです。
まさにまちづくりの理想形を、震災復興ながらも実現しています。すごいこと。
本当に貴重なお話をたくさん伺いました。ありがとうございました。
総括は、その他の視察を終えてまとめて行います。
※ 訪問後、益城町では河川氾濫による浸水被害が発生しました。心からお見舞い申し上げます。